サッカーと仕事の両立で気付けたこと
私は「プロサッカー選手」という肩書きの中で仕事をしていた。
仕事とサッカーを掛け持ちし、社会人としてのルールやマナー、社会人の大変さを学ぶ。もちろんその中でもサッカー選手として試合に絡み、価値を示して所属先のチームに戻らないといけない。
今回はその当時の心境や考えを書いていきたい。
*一部前回の記事や他の記事と被っている内容があるがそれだけ伝えたいことだと感じてほしい。
私はプロになった頃、1年目からバリバリ試合に出てチームの中心となり年代別の代表などに入って活躍する。というイメージをしていた。
イメージは。。。実際そこに向かって本気で努力できたか、と言われれば ”No” になってしまう。
そのあたりのプロを目指すにあたってや、なった後のメンタル、プロになった後のことをイメージしていかにプロになれるか、などはいつかまた記事にできたらと思う。
話を戻すと、実際には全く試合には出れなかった。ベンチにも入るのもままならない。
1年目のキャンプ前に怪我もした。完全に出遅れたし、復帰した後も紅白戦すらまともに出れない。
みんなが練習を終えてからが私の練習の始まり、くらいの感覚だった。実際には練習についていくのが精一杯だった。
この1年目の話も後々、記事にしたいくらい色んなことがあった。
伝えられた現実
契約交渉を終えると私の移籍はほぼ決まっていた。
詳しい経緯や内容は伏せさせていただく。
チーム名やカテゴリーも言えないが、
簡単に言うと、働きながらサッカーをする環境。ということだ。
プロサッカー選手なのに仕事?
仕事してるってプロサッカー選手じゃなくない?
サッカー上手くならないとダメなのに仕事してたら周りにもっと差をつけられる。
移籍の話をされた時はこういう感情だった。
それと同時に自分の実力はこのレベルなのだという現実を突きつけられた。
想像以上の環境
実際に移籍してみると、仕事をしながらトレーニングをして週末は試合というサイクルだった。
プロのチームでよくあるキャンプというものは全くなくプレシーズンの期間も平日は午前中トレーニング、午後は仕事。週末は行ける範囲で対外試合。という流れ。
じゃあトレーニング強度は仕事があるから軽いのかといわれたら全くそうじゃない。
トレーニングはトレーニングで少ない時間の中で負荷を上げてトレーニングして試合で動ける身体を作る。
走り込みのトレーニングが多くて最初は痛みも出る箇所もあったし大変だった。
平日が基本的に仕事で、土曜日が試合がある時なども前日も仕事が普通だった。
トレーニング後から仕事までの時間をいかに早く帰って昼ご飯を食べて(昼ごはんも各自)その後仕事までの時間を作って昼寝の時間に充てるか。30分確保できたら万々歳なくらいたった。笑
起きてすぐに仕事着に着替えて仕事に向かう。
そんなサイクルだった。
正直、めちゃくちゃキツかった。
疲労もなかなか抜けないしその中で立ちっぱなしの仕事だし、眠さもあるし、
立ちながら寝るってこういうことか。みたいなくらいになった時もあった。
しかし週末になると試合は来る。
そこでもなかなか試合に出れなかった。
カテゴリーをさげてかつ、仕事をしながらでも試合に出れない。
本当に苦しかった。
周りにも愚痴をこぼしていたし、試合に出れない現状を仕事のせいにしたり、環境のせいにしていた。
そのまま夏以降になり、ずっと出たり出なかったりだった。
ある日思ったこと
ある日ふと思った。
みんなすごいな。
自分みたいに仕事があるからとか環境が良くないからは言い訳も何もせずに、仕事しながらでも文句言わずに普通にプレーしている。
むしろその状況を楽しんでるくらい。
チームメイトを見てそう感じた。
そこから何かが変わった気がした。
どんな状況でも全力でやることを心掛けた。
試合に出ようが出てまいがトレーニングをしっかりやる。
仕事もしっかりやる。
プロサッカー選手という立場だけど仕事も与えられた仕事、それ以外でできることはして会社に貢献する。
それ以外の時間はしっかり休む。寝る。
今、置かれてる状況、その場面で一生懸命自分なりの全力を出したつもりだ。
そうすると段々良い方向に全てが進んでいったような気がする。
変化
ラスト10試合はほとんど試合に出たし、活躍もできた。
特別その環境で自分が上手くなったとは思ってない。
技術はかわってない。けど本質の部分。
「どんな状況でも自分のやるべきことをやる。」
この環境でそのことを学べた気がする。
本当に選手としてじゃなく人として成長できた気がする。
そこが間違いなく今の自分の基盤になっている。
基盤
その後色んなチームにいったが、そこのベースがあるからこそ今も選手を続けれられているのかなと思う。
(もちろんカテゴリーが上じゃない私が自慢げにできるわけでもないが)
私よりずっとうまい選手はたくさんいたしその選手たちより続けれている理由はそこかなと思う。
そこの本質の部分は、プロサッカー選手を続けることに関してだけではないし、他の職業でもどの年代、立場でもそうだと思う。
ボーナスタイム
自分が良い時に全力を尽くす ことは本当に簡単。簡単すぎるくらい簡単。
何も考えなくても良いプレーができるし人のことを褒めたり人を助ける言動、行動ができる。
自分の中では良い時を 「ボーナスタイム」と考えている。
その「ボーナスタイム」にできることは本当の自分じゃないとも思ってる。
だって勝手に色々できちゃうから。考えなくても意識しなくても。
その逆で自分が苦しくなった時に 「全力を尽くす」 ことがどれだけ難しいか。
頑張ろうとしても周りのせいにして頑張らない理由にしたりするのが人間だし、楽な方を選びたがる。
自分もそうだし、今も状態が良くない時はそういう自分が出てくる。
でも 苦しい時こそ今置かれた立場、環境で頑張ることの大事さ。を気付けたから人としてもサッカー選手としても成長できた。
まだまだまだまだ、弱い自分はいるしこれから先も絶対出てくるだろうからそうなったときのためにこのブログに書いているともいえる。
これからプロを目指す選手
プロでもがいてる選手
プロ選手を育てたい親御さん
指導者の方
色んな方に、そのことを伝えたいし感じてほしい。
そしてそうやって苦しんでいる、もがいてる人に少しでも伝えてあげてほしいし、自分もそうでありたい。
それが正解だなんてことは思ってはいない。
色んな解決方法はある。
そもそもプロサッカー選手の中でトップトップになれなかった私だからこそした経験。
トップトップになっていればしなくても良かった経験ともいえる。
「プロサッカー選手」という職業の中でいえば絶対にしないほうがいい経験だ。
しかし1人の人間としてこれから先サッカー以外での挫折はあると思う。そうなったときのマインドを経験できたことは財産だ。
私はこの方法で乗り越えて成長できた経験、財産があるからお伝えしたい。
少しでも悩んでいる方たちの為になれば幸いです。
P.S 私も今、試合に出たり出なかったりで苦しんでいます。弱い自分も出る時あるしちょっとだけ愚痴をいったりしそうになる時もあります。でもこの基盤があるから大丈夫。と言い聞かせて今回の記事を書きました。笑
コメント