夢授業
一昨年の年末に母校の小学校の5年生に向けて話をする機会を頂いた。
テーマは「夢」について
戸惑ったテーマ
最初に話をしてほしいとお願いされた時にまず思ったのがテーマだ。
今までサッカーしかやってこなかった私が、サッカーでプロを目指している子供たちならまだしも、それ以外の職業になりたい、ましてや夢がない。という子供達に向けて何を発信できるのかな。とかなり悩みました。
その中で、夢を持つことの大切さを伝えてほしいということだったので、夢を叶える方法というよりは夢を持つための考えと行動を伝えていこうと思った。
夢(目標)がないのが1番難しい
夢を目指す、目標があるということは
そこに向かって努力できるし辿り着けるかは別として道がある。
その逆で 夢(目標)がないのはどうだろう。
どこに向かうのかもわからず、どこに行きたいのかもわからずの状況だと頑張れないと思う。
まず、話の最初に今、夢がある人は?
と子供達に聞いたところ…
半分少しは手を挙げていた。
でもその中の半分くらいは、自信のなさそうな感じに手を挙げてるようにも感じた。
自信満々で手を挙げている子は
夢(目標)が決まっているしその子たちはそこに向かって進むだけだから心配はしていない。(もちろんその中で色々大変なことはあるだろうが)
私が、その時考えたのはいかに手を挙げてない子や挙げても自信なさそうに挙げていた子供たちを夢(目標)をもたせて、道を作ってあげれるキッカケを作れるかどうか。
今出来ること
夢を持て!と言われて、夢を持つことができる人はどれくらいいるのだろうか。
私自身、サッカー選手になりたいという夢を誰かに夢を持て!と言われたから持てたわけじゃないし、サッカーが好きでやっていたらいつの間にかプロになりたいって思っていた。
だから子供達に 夢を持て。っていってもなかなか難しいと思う。
だから、私は
「今出来ることはなんですか?」と質問した。
夢授業というテーマで夢の話の中で、
今出来ることは何?と言われて子供達は難しそうな顔をしていた。
私自身、プロになりたいと言ってはいたが本気でなりたいと意識し出したのは高校に入ってから。小学生の頃は何も考えずにただただ好きなサッカーをずっとしていたし練習以外の放課後の時間も友達とサッカーをして遊んでいたりもした。だから頑張って夢を持つ。とかそれに向かって頑張るとか。当時はしてなかったし、しようとも思わなかった。
ただ 「今」を楽しんでいた。
学校生活でもそう。
三男ということもあり、周りを見ながら良いこと悪いことの判断は昔からつく性格というのもあるが、学校での態度は悪くなかったと思う。授業のときは普通に話を聞いていたし、掃除の時間はちゃんとしていたし、遊ぶ時は遊んでいたし。
その時その時、やらなければいけないこと、したいことはしっかりやってきたつもりだ。
そういう小学生年代や、中学生年代を過ごしてきて初めてプロになりたい!と思った。夢を持った瞬間だった。
だから、みんなも今は夢や目標がないかもしれない。頑張るにも頑張る道が見えない。でも学校の先生や親からは夢の持つことの重要性を言われる。そこの葛藤はあると思う。
私が、言いたいのは学校でも私生活でも、その時その時を全力で楽しんで過ごすこと。もちろん楽しむからといってルールを守らなくて良いとかではない。許容範囲内で全力で毎日を過ごすこと。
そうすることで、自分の中で得意な分野が見つかるかも知れない。
家庭の授業の料理を作る時に周りの子供より自分が率先して料理を作れた!
体育で100メートル走で1位をとれた!
算数で良い点がとれた!
委員会活動で自分がリーダーとなってクラスのことを決めれた!等
なんでも良いと思う。
みんな一人一人が自分の良さを今までもそうだし、これからも見つけていくと思う。
その繰り返しの中で、料理を作る仕事をしたい!とかみんなをまとめたりする仕事をしたい!とかが出てくると思う。
逆に今、夢を持ってる人でも何事においても全力で取り組めば新しい夢や目標が見つかるかも知れない。
だからみんなに今出来ることは、「今出来ること」を全力で取り組むこと。
その中で発見が見つかるし、自分の得意な分野が見つかる。
夢や目標がないからといって、毎日をただ過ごしているだけじゃこの先も何も変わらない。夢や目標を持つことが先じゃない。もちろん先に見つけてそこに向かっていけるなら1番良いが、持つことを考えているなら何も考えずに毎日に取り組むこと。
そうすれば絶対に夢や目標が見つかる。
という話をした。最初は???みたいな子供達の顔も少しは晴れて、やるぞ!みたいな顔をしてくれた。
もう一つ伝えたこと。
その話をしている中でもう一つ伝えたことがある。
「全力で取り組んでいれば、もし失敗したとしても次の新しい何かに出逢える。」
もし夢や目標があってそこに向かっていけたとする。
その中でもし失敗したら?と思う人は子供に限らず多いと思う。
実際私もそうだし、大人が怖いんだから子供はもっとそうだと思う。
でも全力で取り組むことで失敗しても次の新しい何かに出逢えると思っている。
私は、プロになれた。さあここからいっぱい試合に出て、活躍してお金も稼いで海外に!!と思っていた。
だが現実はそうはいかず、全く試合に絡めずにいた。その時はサッカーを続けている意味あるのかとも思ったし、こんなはずじゃないと思っていた。
練習でふてくされているときもあったし、うまくいかないことを周りのせいにしてた。
実際その当時の私は一向に上手くいくことはなかった。
そこからレンタル移籍をして(実際は強制的にいかされた)仕事をしながらプレーするっていう環境にいった。
そこでも私は、仕事があるし疲れ抜けないから。今までやってきたサッカーと違うから。とか色々愚痴をこぼしていた。
もちろん、試合に出ても活躍できず、出たり出なかったりを繰り返す日々。
自分と向き合うことも増え、夜に考えすぎて悔しすぎて泣いた日もあったし、このままじゃ終われない。と思ってどこかのタイミングで吹っ切れた。
「やるしかない」
今までなにかを理由にして全力で取り組んでなかった私は、まずそこを変えていった。
そうすると、少しずつ変化が生まれて上手くいきだした。
少しずつ良くなっていったし試合に出れるようになっていった。
あと1番変わったのは周りの目。
ふてくされていた時期と違って話を聞いてくれるようになったし色々な人と信頼関係を築くことができた。
そういう一つ一つの信頼関係を築いたりする作業が移籍する時に私を推薦してくれたり、チームに呼んでくれたり。良い方向になっていった。だから今も現役を続けられているのかなと思う。
繋がり
もしみんなもこれから夢や目標を目指す中で挫折や失敗があったとしても、諦めずに行動していると、その場やその時、成功できなくても次に絶対繋がるし今も実際、私もここで夢授業というテーマでお話させてもらっているのも、「私に頼みたい」と思って下さった方がいるから。
人の繋がりを大事に今を全力で取り組んでいればいつかは幸せになれる。
間違いないではなかった
そういう話をさせてもらって
後日、その話を聞いた子供達から感想文を頂いた。
内容は色々だったが、サッカー選手になりたい子供はもちろん、夢や目標がなかった子供も「夢を見つける為に今を頑張ります!」とか「今はないけど毎日を取り組んだ先に夢が見つかると聞いて安心しました」など自分が伝えたかったことが伝わっていたと感じて心の底から話をして良かったと思ったし、今まで自分がやってきたことは間違いではなかったし絶対誰かしらの為になるんだなと思った瞬間だった。
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